5:中学受験算数指導の大いなる欠陥

理想的な算数指導プログラムは何か

改めて疑問3です。
再掲します。

疑問3
方程式で解く問題と、方程式では解かせない問題の差は何か。
また、そのように指導する意図は何なのか。

1つ前の記事で、塾の算数教師に対して辛辣なことを書きましたが、
この質問を保護者様からされたら、ストックフレーズで済ませるしかない側面があるのは事実です。

実はこの疑問に対する回答を、さらっと一言で説明することはできません。
これは、中学受験の算数教師が全精力を傾けて追及する
「理想的な算数指導プログラムは何か」という話題そのものだからです。

はっきり申し上げて、めちゃくちゃ難しくて深い問題なのです。

また、唯一絶対の正解があるような質問ではありません。

つまり、

「どのように指導していけばベストなのか(謙虚に書けば、よりベターになり得るのか)」
を教師それぞれが独自に追及していくわけですが、
たどり着いた指導法が、教師それぞれで完全に同じにはならないだろう、ということです。

そしてもちろん、この指導法追及を高いレベルで行っている教師もいれば、
そうでもない教師もいるという事実もあります(めちゃくちゃ難しくて深い問題ですので)。

疑問3をそもそも自分自身に問いかけたことがない教師がいて、
なんとなく算数的解法と方程式解法が混然一体となって指導されている授業、
これが中学受験塾の実情といえます。
多くの混乱するこどもを生み出しているといえます。

中学受験算数教育の問題点の1つが浮き彫りになったと思います。

・そもそも教師それぞれで統一されていない指導
・そもそも追及をしてない、しきれていない教師

はじめから全部方程式で教えてしまえ!という中学以降の数学の指導とはまったく別の難しさがあることが
良くお分かりいただけたのではないでしょうか。

これはもちろん
「中学受験の算数はきわめて特殊なので、親が教えるのはやめた方がよい」という話とつながっています。

つまり、親自身が「こどもに対してどのような解法で指導をするのか」に明確な意図がない限り、
様々な解法のごちゃ混ぜで指導することになり、わかりづらくなる原因となるのです。
やはり、どの程度方程式を使うのか(あるいは一切使わないのか)についてが、
一番の悩みどころになるでしょう(全部方程式で教えたほうがよいのでは?という疑問もうまれますね)。

補足になりますが、ごちゃ混ぜ指導でも、大量に問題演習をこなしていくうちに、
様々な解法を自分の中で整理していける子は伸びていきます。いわゆる算数が得意な子です。

また、前述した通り大手進学塾においても、ごちゃ混ぜ指導が実情です。
それは、終始一貫した指導方針を持っていない教師の力量が原因ともいえますし、クラス替えで教師が変わることにより、一貫した指導が受けられないことが原因ともいえます。
この2つのミックスが多いケースでしょう。

方程式をどのように位置付けて、どのように指導していくのか。

明確な意図を持ち、終始一貫した論理で構築された教材、指導が必要とされていると痛感しこのサイトを立ち上げることとなりました。
これは子どもにとって、学習がすすめやすい教材といえますし、
おそらくは最も渇望されているのは保護者様なのではないかと思います。

このような教材を現在作成中です。
みなさまにはやくお届けできるようがんばっています。

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