等式とは何か?理解を深める②
- 説明
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「等式をつくれたら、あとは計算するだけで問題は解ける」と先ほど言いました。
これについて見ていきましょう。
まずは先の重要ポイントのおさらいです。
- 等式は、てんびんのつりあいを表している。
- 「=」の左と右が等しい、という意味を表している。
もう覚えたよね。
はい。
では次だよ。
めちゃくちゃ大事なことだからね!等式は、左右両方に同じ計算をして、変形させていくことができる。
例えば、29+900=35
という、てんびん(等式)だけど、左の皿から29を取り除いて、、右の皿からも29を取り除く。
つり合いは保たれたままだよね。
29+900-29=35-29
はい、そうですね。
左右の皿から29を取り除いたてんびんは
900=6
になるよね。
とても簡単な式になったでしょ。
ここまできたら、1=150だってすぐにわかるよね。なるほど!わかります。
等式は、このように「左右に同じ変形」をすることで、簡略化していくのです。
まとめるよ。
問題文に比があって、③とか⑤とかおいたあとに何をすべきなのか。
必ず「等式」がつくれるので、それを目標とすること!
これこそが、文章題の暗黙のルールです。途中で詰まってしまったら、何をしたらいいのか困ってしまったら、この「最終目標は何か」という原点に立ち返るのです。
何と何が等しいのか、を探し「等式」をつくります。あとは、等式を簡略化していけば、①=5円などの情報が得られます!
残念ながらこのルールを明確に指導していない塾の先生はたくさんいます。
その結果、何をどうしたらいいかわからず、何に着目したらいいかもわからず困っている子が続出します。まるで、地図も持たないで知らない街に放り出された迷子です。
方程式っぽい解法は嫌だ。そうではない解法を小学生に教えたいという謎のルールを守っているからでしょう。
しかし、「一見方程式を使わない解法」も「方程式」と同一の解き方をしているのですし、「消去算」は「連立方程式」と同値です。
カンガループリントでは、「等式の変形」を指導することを強く推奨します。
※「負の数」や「移項」を小学生に教えることはしません。
結局「1次方程式を教えている」ということです。
ただし、現時点ではわからない量をXとおく、という視点は小学生にはありません。
これは小学生の表現方法だと、わからない量を①とおく行為だからです。
現時点では、問題文中に4:3のような比があるとにき、それに応じて④、③とおく。これが小学生的な視点です。
最後まで比しかわからない問題もあります。③=4のような等式が最後の結果で、③が具体的にいくつなのかわからないというタイプの問題もあります。
しかし、話をややこしくしても理解が遠のくので、現段階では深入りしません。
仕事算やニュートン算でふれていくことになります。
- 例題1
- ある学校の男子は、全体の6割より4人少なく、女子は全体の \(\displaystyle \frac{3}{8}\) より10人多い。この学校に男子は何人いますか。
- 解説
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男子は、全体×0.6-4
これはつまり、全体×\(\displaystyle \frac{3}{5}\)-4
女子は、全体×\(\displaystyle \frac{3}{8}\)+10これは、全体を40とすると計算が楽ですね。
男子:40×\(\displaystyle \frac{3}{5}\)-4=24-4
女子:40×\(\displaystyle \frac{3}{8}\)+10=15+10
で、男子と女子をあわせれば全員ってことですね。
さっきの問題とほとんど同じですね!!(男子)+(女子)=(全員)
だから、
(24-4)+(15+10)=40その通り!
何かと何かが等しい。これが等式だ。
そして、等式をつくることこそが、算数の問題を解くということなのです!(24-4)+(15+10)=40
だから、左側を整理すると、
39+6=40これはつまり、1=6
男子は、24-4だから、24×6ー4=140
求まりました!男子は140人です。
正解!
女子や全体の人数を求めて、確かめもしておこうね。全体は、40=240人ですね。
男子が140人なら、女子は、240-140=100(人)ところで、さきほど、
女子=15+10
だったのだから、
15×6+10=100どちらで求めても同じ値。
問題の条件とぴったりです!完璧ですね!!よく理解できています。