比×比=比
これとは別の、もう1つの比の活用があります。
どちらも、受験算数における大きな柱であり、必ずマスターしなければいけません。
1:比×比=比
基礎例題1
Aは100円のチョコレートを、Bは80円のキャラメルを何個か買いました。BはAの1.5倍の個数を買ったとき、AとBの代金の比を求めなさい。
解説
習ってないからできませーんってこと、ないでしょ?
AもBも買った個数は具体的に何個なのかはわからないけど、比がわかっていますね。
A:100× 1 =100
B:80× 1.5=120
100:120=5:6かな。
うん、大正解。
感覚的にもこれで良いのが分かるよね。
別の説明をするならば、
Aは a 個買った。
Bは(a×1.5) 個買った。
すると、
A:100× a=100×a
B:80×(a×1.5)=120×a
より、A:B=100×a:120×a=5:6
となります。
この説明はちょっと数学的ですね。
感覚的にわかればOKです。
基礎例題2
Aはチョコレートを、Bはキャラメルを何個か買いました。チョコレート1個の値段とキャラメル1個の値段の比は6:5です。BはAの1.5倍の個数を買ったとき、AとBの代金の比を求めなさい。
解説
今度は、値段も個数も具体的な数値はわからないね。
さっきの問題と似てますね。ほとんど同じじゃないの?
値段の比が6:5だから、⑥、⑤として、
A:⑥×1=?
B:⑤×1.5=?
多分答えは、
(6×1):(5×1.5)=6:7.5=4:5
4:5です。
うん、正解。
4:5でOKです。
答えはわかるんだけど、計算式がかけないんですよ。
A:⑥×1=6?
B:⑤×1.5=7.5?
6円と7.5円ってわけじゃないから・・・
うん、よく考えているね!
⑥円が1個なら⑥円
⑥円が2個なら⑫円
⑥円が3個なら⑱円
だよね。
でも、
⑥円が1個ならいくらになるのか。
確かにわからないよね。
わからなくて正解なんだよ。
?わからないのに正解?
うん。
⑥円が1個でいくらなのか。
その値段は、○でも□でも表せないんだ。
だから、このようなときは新しい記号を使うんだ。
例えば上の例なら、□と○をもう使っているよね。だから、新しく△とかおくんだ。
ああ、そういうことか。
また新しく記号を増やさないといけないのか・・・
でもね、ここまでていねいに毎回式をかかなくてもいいよ。
比はかけ算して、それがそのまま比になるって感覚があればそれでOKなのです。
だからこの問題も、いちいち△とか記号をおかなくてもいいよ。
かけ算した値をそのまま比にして、4:5がわかればそれでOKです。
どうでしょう。何か特別な難しいことでもないですよね。「あたりまえ」ですね。
このことが、「あたりまえ」と思えるようになることがとても重要です。
「面積比」、「速さと比」、「食塩水と比」、この「あたりまえ」の感覚があるかどうかがカギとなります。