逆比
1:かけ算が等号で結ばれるとき
例題1
Aの3倍とBの4倍が等しいとき、AとBの比を求めなさい。
解説

A×3=B×4
ということですね。

そうだよ。これも等式だ。1つ前の単元で学習したやつだね。
問題文から等式がつくれるなんて成長しているね!

A×3=B×4が成り立つのは直感的に、A=④、B=③のときとわかります。
A B
④×3=③×4
逆にすればよいことがわかります。
九九もそうでした。「四三(シサン)12」と「三四(サンシ)12」です。
答えは、A:B=4:3です。

うん正解。簡単だったね。
この例題のように「2つのかけ算が等しい」ならば、
逆の数をかけている、ということはあたりまえの事実として暗記しておいてね。
で、さらに別の見方もしておくよ。

上の解き方は結果的に
A B
④×3=③×4=⑫
となっていて、⑫でAとBが結ばれています。
そして、AとBを結ぶ値はどんな数値でもいいわけです。
例えば、①にすると、
A×3=B×4=①
このとき、
A=\(\displaystyle \frac{1}{3}\)、B=\(\displaystyle \frac{1}{4}\)
となります。
A B
\(\displaystyle \frac{1}{3}\)×3=\(\displaystyle \frac{1}{4}\)×4=①
これは、「逆数をとる」ことで等式が成り立っているわけです。

「逆数」って知らないです。

逆数はね、分子と分母を逆に入れかえた数のことなんだ。
例えば、
\(\displaystyle \frac{2}{3}\) の逆数は、\(\displaystyle \frac{3}{2}\)
もちろん、
\(\displaystyle \frac{3}{2}\) の逆数は、\(\displaystyle \frac{2}{3}\) でもある。
また、
7の逆数は、7=\(\displaystyle \frac{7}{1}\) の逆数で、\(\displaystyle \frac{1}{7}\)
どう?簡単でしょ。

はい、わかりました。
つまり、
A:B=\(\displaystyle \frac{1}{3}\):\(\displaystyle \frac{1}{4}\) = \(\displaystyle \frac{4}{12}\):\(\displaystyle \frac{3}{12}\) =4:3
なるほど、さっきと同じ答えがでました。
・互いに逆に入れかえる
・逆数をかける
かけ算が等号で結ばれているときに、「逆」になるということは暗記しておきましょう。
さらに研究

もっともっと深く理解しておこう。
「逆」を知らなかったとしても、ただ計算するだけでも答えは求まるんですよ。

?どういうことですか?

A×3=B×4 のAを①でも②でも、なんでも好きな値においてみるわけだ。
例えば、A=①とすると、
①×3=B×4
より、B=〇\(\displaystyle \frac{3}{4}\)
A:B=1:\(\displaystyle \frac{3}{4}\)= 4:3
ほら、求まったでしょ。

あ、本当だ。

等式の変形をすれば仕組みは明らかだよ。
A×3=B×4
という等式を変形する。
両辺を \(\displaystyle \frac{1}{4}\) 倍すれば、
A×3×\(\displaystyle \frac{1}{4}\)=B×4×\(\displaystyle \frac{1}{4}\)
つまり、
A×\(\displaystyle \frac{3}{4}\)=B
ということだからね。
Aをいくつにおこうが、BはAの \(\displaystyle \frac{3}{4}\) 倍なのです。
比は具体値とは無関係で一定だからです。

なるほどー!等式の変形ってめちゃくちゃ大事ですね!

その通り!!!
例題1
Aの \(\displaystyle \frac{2}{5}\) 倍とBの \(\displaystyle \frac{3}{4}\) 倍が等しいとき、AとBの比を求めなさい
解説

さっきと同じですよね。
A× \(\displaystyle \frac{2}{5}\) =B×\(\displaystyle \frac{3}{4}\)
ということです。
例題1のときと同様に2種類の逆が成立します。
互いに逆に入れかえる解き方だと
\(\displaystyle \frac{3}{4}\)× \(\displaystyle \frac{2}{5}\) =\(\displaystyle \frac{2}{5}\)×\(\displaystyle \frac{3}{4}\)
つまり、
A:B=\(\displaystyle \frac{3}{4}\):\(\displaystyle \frac{2}{5}\) =15:8
逆数をとる解き方だと
\(\displaystyle \frac{5}{2}\)× \(\displaystyle \frac{2}{5}\) =\(\displaystyle \frac{4}{3}\)×\(\displaystyle \frac{3}{4}\)
つまり、
A:B=\(\displaystyle \frac{5}{2}\):\(\displaystyle \frac{4}{3}\) =15:8

正解!
もちろん逆を意識しないで、ただの計算問題としても処理できますね。
※連比であるともいえます。