食塩水の複数回移動
食塩水の複数回移動
例題1
濃さが8%の食塩水200gから食塩水50gをくみ出して、かわりに水100gを入れてよくかきまぜました。次に、食塩水50gをくみ出して、かわりに水100gを入れてよくかきまぜました。最後にできた食塩水の濃さは何%ですか。
解説
面倒そうだな・・・・
8%の食塩水200g →8%の食塩水150g
8%の食塩水150gと水100gで → ?%の食塩水250g
?%は面積図なしでも求まりますね。
150×0.08=12
12gの食塩が解けている250gの食塩水の濃さは・・・
間違ってはいないけどさ、その濃さは求める必要がないでしょ。
途中経過の濃さなんて、いちいち求める必要はないのだから。
略図で整理してみよう。
まず、8%の食塩水200g から50gを捨てる。
当然残りは150gになる。
この食塩水150gにとけている食塩が12gはどうやって求める?
濃さははじめと同じ8%ですから、
150×0.08=12
正解。
もう1つ、別の求め方は?
え?えっと・・・
200gあった食塩水のうち、150gが残った。
つまり、 \(\displaystyle \frac{150}{200}=\displaystyle \frac{3}{4}\) 残っているのだから、
とけている食塩も \(\displaystyle \frac{3}{4}\) となる。
16×\(\displaystyle \frac{3}{4}\) =12
こちらのやり方も絶対にマスターしないとダメだよ。
では続き。
水を100g入れてまぜて、50gすてる。
とけている食塩の量「?」を求めてくださいな。
1つ前の、
「全体が250gで食塩12gの食塩水」の濃さと同じですね。
50g捨てる前と後で、濃さは同じですからね。
\(\displaystyle \frac{12}{250}\)×100=4.8(%)
全体が200gで濃さが4.8(%)だから、とけている食塩の量は
200×4.8=9.6
9.6gです。
間違ってはいないけど、「濃さ」なんて出す必要ないってば。
250gのうち、200g残ったのだから、\(\displaystyle \frac{200}{250}\) 残った。
だから、とけている食塩も \(\displaystyle \frac{200}{250}\) 残る。
12× \(\displaystyle \frac{200}{250}\) =9.6
よって、9.6gの食塩がとけているのです。
最後、ここに水を100gいれると・・・
300gに9.6gがとけている。
\(\displaystyle \frac{9.6}{300}\)×100=3.2(%)
濃さは3.2%だ!
正解です。
とにかくポイントは、途中の「濃さ」を求める必要はないということ。
「食塩水全体の量」と「とけている食塩の量」がどのように変化していくのかをていねいに追いかけるんです。
なるほど。
よくわかりました!
ところで先生。
この分数のような表示、分数じゃないよって言われましたけど、
分数として見れば、「食塩水の濃さ」そのものを表していますよね。
\(\displaystyle \frac{食塩の量}{全体の量}\)✕100
ですからね。
百分率になおすために100倍するかしないか、それだけの違いです。
最後の濃さを求めるときに気づきました。
あら、よく気がついたね。
あまり教えすぎて混乱させるのも嫌だから言わなかったんだけどね。
「途中の濃さを求める必要はない」と教えてきたけど、厳密に言い直せば、
「途中の濃さを百分率に直す必要はない」
ということなんだよね、実は。