2つの解法のメリット・デメリット
- 例題12
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ある牧場で、69頭の牛を放すと35週間で草を食べつくしてしまいますが、61頭の牛を放すと42週間で草を食べつくしてしまいます。草は毎日一定の割合ではえ、牛はどの牛も1日に同じ量の草を食べるものとします。
この牧場に、41頭の牛を放すと草が食べつくされるまで何週間かかりますか。
- 解説
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解き方1(単位時間)でも解き方2(総量)でもかまいません。解いてみてください。
はい。
えっと・・・これは・・・
解き方1(単位時間)で解いていた頃のニュートン算と同じ・・・?そうだよね。
何のひねりもない、普通のニュートン算です。
はあ・・・ニュートン算の2つの解き方について、それぞれの良い点、悪い点をここでまとめておきましょう。
まず、「解き方2(仕事の総量着目)」でしか解けない問題があることを見てきました。
この点だけを見れば、「解き方1」なんかいらない、「解き方2」だけあれは十分である。
このように思ってしまいますよね。
はい、解き方2(総量)でないと解けない問題を2問連続で見てきましたからね。そうだよね。
で、今回の例題です。この例題は、
解き方2(総量)で解くと、「とても計算がめんどう」です。解けますが、めんどうです。
解き方1(単位時間)で解くと、「計算が簡単」です。これが解き方1の良い点なのです。
解き方1(単位時間)だと、計算が楽・・・どれくらい計算量に違いがあるか、これから2つの解き方で解いていくことにしましょう。
その前にもう1つ、解き方1(単位時間)の良い点です。
「解き方2(総量)」で解いていっても、最後の最後は「解き方1(の式)」で解いたほうが楽。これは、以前、例題9で体験しましたね。
最後は、解き方1(単位時間)の方が楽・・・例題9の最後の最後でしたね。解き方2(総量)
「はじめの量24」+「2✕?」=「12✕?」解き方1(単位時間)
「はじめの量24」÷(12−2)=2.4(時間)確かにそうでしたね。
はい。
では、今回の例題を2つの解き方で解いていきましょう。
まずは、解き方1(単位時間)で解きましょう。
解き方1で解けそうなときは、解き方1がオススメです。
計算が楽ですからね。解き方1・単位時間に着目する
牛1頭が1週間で食べる草の量を1とします。「はじめの量」÷(69−じゃま)=35(週間)
「はじめの量」÷(61−じゃま)=42(週間)
もちろん、「じゃま」=1週間に生える草の量です。
はじめの量は、35と42の最小公倍数210にします。
「はじめの量」=◯210とすると、
◯210÷(69−じゃま)=35(週間)
◯210÷(61−じゃま)=42(週間)
よって、
69−じゃま=⑥
61−じゃま=⑤
2つの式の差をとって、
8=①
これと、69−じゃま=⑥より、
69−じゃま=48
つまり、じゃま=21
また、はじめの量◯210=1680
これですべてわかったので、最後の仕事算で終わりですね。
牛41頭を放すと1680÷(41−21)=84
求まりました。
84週間です。はい、正解です。
解き方1(単位時間)だと楽に解けたでしょ。
解き方2(総量)の計算は結構面倒ですよ。
やってみてください。解き方2・総量に着目する
解き方2ですね。「はじめにある仕事量」+「追加された仕事量」=「仕事をした総量」
で式を作ります。
牛1頭が1週間で食べる草の量を1とします。
この牧場に1週間で生える草の量を①とします。
牛69頭が35週間食べる草の量は、69✕35=2415つまり、
「はじめの量」+㉟=2415牛61頭が42週間食べる草の量は、61✕42=2562
つまり、
「はじめの量」+㊷=2562もうすでに計算が面倒でしょ。
あとは、この2つの式で消去算をすればいい。「はじめの量」+㉟=2415
「はじめの量」+㊷=2562下の式から上の式を引けば、「はじめの量」が消えて、
⑦=147
これはもちろん7で割って、
①=21これを使って、〇だけの式、あるいは□だけの式にします。
①=21で「はじめの量」+㉟=2415
を□だけの式にすると、「はじめの量」+735=2415
つまり、
「はじめの量」は、1680だ。はい、上手に解けています。
牛41頭を放すならば・・・1週間ではえる草の量①は、、
①=21なので、「はじめの量1680」÷(41−21)=84(週間)
求まりました。84週間です。
解き方1と同じ答えにたどりつきました。はい、上手にできましたね。
解き方1(単位時間)の方が、圧倒的に計算が楽だったでしょ。
解き方2(総量)だけしかできないよりも解き方1ができたほうが有利です。
なるほど・・・
解き方1(単位時間)の良い点、悪い点、
解き方2(総量)の良い点、悪い点、
があるんですね。うん、まとめますね。
解き方1(単位時間)の良い点
計算が楽。解き方2で解いたあと、結局は最後の最後に用いることが多い。解き方1の悪い点、
解けない問題がある。解き方2(総量)の良い点
解けない問題がない。あらゆる問題に対応できる解き方2の悪い点、
計算が面倒になることがある。
どちらの解き方も身につけておいた方が良いですね。