速さと比・同じ時間進む

異なる速さで進む2人が、同じ時間進むとどうなるのか。速さの問題の構成要素として、最重要のものの1つです。

1:時間と距離が正比例

例題3

太郎はP地点からQ地点に向かって一定の速さで、次郎はQ地点からP地点に向かって一定の速さで同時に出発したところ、2人はPQ間の \(\displaystyle \frac{3}{5}\) の地点ですれちがった。その後太郎がQ地点に着いたとき、次郎はP地点の手前2kmの地点にいた。PQ間の距離は何kmですか。

解説

吹き出し用まなぶくんイラスト

複雑ですね・・・

比の活用にはまだ慣れていないから、とりあえず旅人算で解いてみようかな・・・

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あれ?
旅人算では解けない?
解けないのかな、これ。

吹き出し用カンガルー先生イラスト

うん、旅人算では解けない。
それがわかるのが第1歩なんだ。おめでとう!

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では、比で解けってことなんですかね。

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そうだよ。
3つの要素のうち、2つまでは与えられているからね。
速さの問題は必ずそうなっていますからね。

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図で整理します。
PQ間の \(\displaystyle \frac{3}{5}\) の地点ですれちがったは下図。


中学受験算数カンガループリント 速さと比 同じ時間 0330
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同時に出発して出会う、旅人算的状況ですから、2人は同じ時間進んでます。
つまり、時間の比は1:1

で、進んだ距離の比は3:2だから・・・
えーっと、最後は速さだ。


中学受験算数カンガループリント 速さと比 同じ時間 0340
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速さの比が3:2だ。

 

吹き出し用カンガルー先生イラスト

うん、いいね。ここまで順調だよ。

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その後、太郎がQ地点に着いたとき、次郎はP地点の手前2kmの地点にいた。

太郎と次郎の同じ時間に進む距離の比は3:2だから、
太郎が②進む間に、次郎は、
②×\(\displaystyle \frac{2}{3}\)=〇\(\displaystyle \frac{4}{3}\) 進む。


中学受験算数カンガループリント 速さと比 同じ時間 0350
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できたぞ!

2kmが、③-〇\(\displaystyle \frac{4}{3}\) =〇\(\displaystyle \frac{5}{3}\) なんだ。
3倍すれば、
⑤=6km

PQ間の距離は⑤だから、6kmだ。
求まりました!

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お見事! 
完璧な解答です。

ところでちょっと別解も見ておこうか。

2人の速さの比が3:2とわかったあとなんだけどね。
太郎がQ地点に着くまでをひとまとめで見ると下図。


中学受験算数カンガループリント 速さと比 同じ時間 0360
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速さの比が3:2の2人が、同じ時間進めば、距離の比も3:2
太郎が
次郎が
進んだ。
=2km
で、PQ間は=6km
なるほど!

  

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速さの異なる2人が、同じ時間を進む問題。
まさに旅人算的状況の問題です。
これが速さの最重要パターンの1つだよ。

しっかり覚えておいてね。

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