速さと比・同じ速さ
速さと比・同じ速さ
例題1
400m競争を太郎くんと次郎くんがしました。2人が同時にスタートして、太郎くんは80秒、次郎くんは90秒でゴールしました。太郎くんがゴールしたとき、次郎くんはゴールの何m手前にいましたか。
解説
太郎と次郎、速さの異なる2人が400mを走る。
これって「同じ距離タイプ」じゃないですか。
時間の比が速さの逆比になるやつ。
(速さ)×(時間)=(距離)
太郎:?×80秒=400m
次郎:?×90秒=400m
まあ、そうだね。
速さの比は時間の逆比で9:8ですね。
あ!「速さの比」どころか、具体的な「秒速」がわかるぞ。
(速さ)×(時間)=(距離)
太郎:秒速5m×80秒=400m
次郎:秒速 \(\displaystyle \frac{40}{9}\) m×90秒=400m
聞かれているのは80秒後に次郎が、ゴールの手前どれだけにいるのか、
だから、次郎があと10秒で進む距離だ。
\(\displaystyle \frac{40}{9}\) ×10= \(\displaystyle \frac{400}{9}\)
求まりました。
\(\displaystyle \frac{400}{9}\)= 44\(\displaystyle \frac{4}{9}\) mです。
まったく比を使わないで解けちゃいましたが・・・
うん。正解。
学くんの解き方で文句なし。
でも比を使うともっとあっさり解けるでしょ。
太郎と次郎の速さの比は9:8ですけど・・・
それに着目して解くこともできるけどね。
そうではなくて、今回比べるのは
次郎は90秒で400m
次郎は80秒で□m
この2つ。
あ!なるほど。
時間が \(\displaystyle \frac{8}{9}\) なので、進む距離も \(\displaystyle \frac{8}{9}\) だ。
80秒のとき、ゴールまであと①mだ。
400m=⑨のときの①を求めればいい。
①= \(\displaystyle \frac{400}{9}\)
ほんと、あっさり求まりますね。
あらためて確認しておくけども、
はじめの学くんの解法が悪いわけじゃないよ。
もっとも近道な解き方をしないといけないわけじゃない。
そもそも、まずは解けるようになる、ということこそが大事だからね。
ちなみに、より近道な解法があるとして、それにどうやって気づけるようになるか。
単純で簡単な方法はないんだ。
常に問題文全体の状況を理解しようと努めるしかない。
そういう意識をもってたくさんの問題演習をすること。
全体像をいかに的確に理解、把握できるか。
これが算数における最大の力量で、一朝一夕で身に付くものではないからね。