3:4:5の直角三角形
1:2と1:3の直角三角形
例題1
下の図で、三角形ABCは直角二等辺三角形で、AB、BCの長さは10cmです。辺BCのまん中の点をMとして、三角形ABMをAMで折り返してできる三角形がADMです。AMとBDの交点をE、ACとMDの交点をFとします。AEの長さはEMの長さの何倍ですか。
また、MFの長さは何cmですか。
解説
![吹き出し用カンガルー先生イラスト](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2018/04/balloon1_img.png)
これは、平成23年の灘中学校で出題されました。
とても難しいのですが、やはり知識を使えば簡単に解決できます。
では、見ていきましょう。
![吹き出し用カンガルー先生イラスト](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2018/04/balloon1_img.png)
AE:EMは簡単ですね。
直角三角形の相似の定番の配置です。
下図のようになり、AE:EM=4:1と求まります。
![吹き出し用まなぶくんイラスト](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2018/04/balloon2_img.png)
三角形AMB
三角形ABE
三角形BME
これらがすべて「直角をはさむ辺の比が1:2の直角三角形」ですね。
![中学受験算数カンガープリント 直角三角形3:4:5 0602](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2019/06/12345tri0602.jpg)
![吹き出し用カンガルー先生イラスト](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2018/04/balloon1_img.png)
続いて、MFの長さ。
これはかなりの難問です。
難しすぎるので、実入試においては捨てるの一手なんですけどね。
「直角をはさむ辺の比が1:2の直角三角形」に関する知識があれば・・・
![中学受験算数カンガープリント 直角三角形3:4:5 0604](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2019/06/12345tri0604.jpg)
![吹き出し用カンガルー先生イラスト](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2018/04/balloon1_img.png)
つまり、3:4:5の直角三角形が見つかります。
三角形APDがそれです。
下図のように長さの比が入ります。
![中学受験算数カンガープリント 直角三角形3:4:5 0605](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2019/06/12345tri0605.jpg)
![吹き出し用カンガルー先生イラスト](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2018/04/balloon1_img.png)
AB=AD=⑤=10cmなので、
①=2cm
下図のように長さが決まります。
![中学受験算数カンガープリント 直角三角形3:4:5 0620](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2019/06/12345tri0620.jpg)
![吹き出し用カンガルー先生イラスト](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2018/04/balloon1_img.png)
また、
直角二等辺三角形APQに着目して、
AP=PQ=6cm
なので、QD=8-6=2cm
MFの長さは、下図の砂時計相似から求まります。
![中学受験算数カンガープリント 直角三角形3:4:5 0622](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2019/06/12345tri0622.jpg)
![吹き出し用カンガルー先生イラスト](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2018/04/balloon1_img.png)
MF:DFは5:2なので、
MFはMDの \(\displaystyle \frac{5}{5+2}\) になります。
つまり、MD=5cmの \(\displaystyle \frac{5}{7}\) が求める長さです。
5×\(\displaystyle \frac{5}{7}\)=\(\displaystyle \frac{25}{7}\)
求まりました。
![吹き出し用まなぶくんイラスト](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2018/04/balloon2_img.png)
なるほど・・・
きれいに解けますね。
別解
![吹き出し用カンガルー先生イラスト](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2018/04/balloon1_img.png)
あるいは、下の水色の三角形が直角をはさむ辺の比が1:3の直角三角形であるという知識を利用することもできます。
![中学受験算数カンガープリント 直角三角形3:4:5 0630](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2019/06/12345tri0630.jpg)
![吹き出し用カンガルー先生イラスト](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2018/04/balloon1_img.png)
この問題を、これらの知識なしで解くのは至難です。
そのような解き方の一例を示すと、まずDCを結びます。
DCとAMが平行になることに気づかないと解けません。
二等辺三角形MDBと二等辺三角形MCDの内角から導かれます
(円周角の定理を知っていれば、Mを中心とする直径BCの円が想起されます)。
あとは砂時計相似です。
![中学受験算数カンガープリント 直角三角形3:4:5 0640](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2019/06/12345tri0640.jpg)
参考図
![中学受験算数カンガープリント 直角三角形3:4:5 0610](https://jukensansuu.net/wp-content/uploads/2019/06/12345tri0610.jpg)