解法を暗記する勉強を続けていくと、いずれ(6年生から)まったく伸びなくなる。
よく言われている定説で、似たような話は一度は耳にしたことがあるかと思います。
しかし一方で、「算数の学習において、ある程度はパターンの暗記である」
という類の話を聞いたこともあるのではないでしょうか。
相反する2つの意見、矛盾しているように聞こえます。
はたして算数の勉強において暗記は有効なのか否か。
この点について詳しく述べていきたいと思います。
矛盾した意見ではない
まず上の2つの意見ですが、どちらも正しいというのが真実です。
ほとんどの場合、暗記肯定派と暗記否定派の両者にとって、「暗記」が指している内容が異なります。
ですので、必ずしも矛盾した2つの意見ではありません。
この点に触れずに、0か100かの議論をしてもまったく無駄としかいいようがありません。
つまり算数学習において、やってはいけない暗記と、やってよい暗記があるということです。
では、どのような事柄を暗記していくべきなのか。
これについて順に説明をしていきたいと思います。
なぜ、にまで及ぶ説明となると、それほど簡単に終わる話ではありません。
どのような意図をもって算数教育をするのかという根幹に関わる話題だからです。
算数と暗記
一口に片づけられるような問題ではありません。
まずはじめに最もわかりやすい『絶対にやってはいけない暗記』から説明します。