通過算と比
通過算と比
例題1
時速50kmで進む電車が、線路と平行な道を同じ方向に進む自転車に追いついてから追いこすまでに18秒かかりました。もし、電車の速さが時速60kmならば、この自転車に追いついてから追いこすまでに14秒かかります。このとき、自転車の速さは時速何kmか求めなさい。また電車の長さは何mか求めなさい。
解説
式処理がおススメだって教わりました。
式処理で解いてみます。
(距離)÷(速さ)=(時間)
(電車の長さ)÷(時速50km-時速?km)=18秒
(電車の長さ)÷(時速60km-時速?km)=14秒
えっと・・・単位をそろえないといけないですね。
時速を秒速に直すか、
あるいは、18秒を \(\displaystyle \frac{18}{3600}\) 時間になおすか。
単位をそろえないと、正確な計算式にならない。
このことを意識できているのはとても素晴らしいことだね。
でもね、比の処理をするだけならば、単位は関係ないよ。
単位が「時間」でも「分」でも「秒」でも、比は一定ですからね。
電車の長さは同じだから、1:1
時間の比は、18:14=9:7
(距離)÷(速さ)=(時間)
(電車の長さ)÷(時速50km-時速?km)=18秒
(電車の長さ)÷(時速60km-時速?km)=14秒
つまり、速さの部分の比は逆比の7:9になる。
長さ÷7=18秒⑨
長さ÷9=14秒⑦
だから、
(時速50km-時速?km)=7
(時速60km-時速?km)=9
2つの式の差をとれば、
2=時速10km
だとわかります。
つまり、7=35なので、
(時速50km-時速?km)=35
自転車の速さは、時速15km!
求まりました。
正解です。
では電車の長さを求めましょう。
電車の長さ÷(時速50km-時速15km)=18秒
なのだから、
電車の長さは、時速35kmで18秒進む長さ。
これこそは単位を無視できませんね。
18秒=\(\displaystyle \frac{18}{3600}\) 時間=\(\displaystyle \frac{1}{200}\) 時間
時速35kmで \(\displaystyle \frac{1}{200}\) 時間進む長さは、
35× \(\displaystyle \frac{1}{200}\) =\(\displaystyle \frac{35}{200}\) =\(\displaystyle \frac{7}{40}\)(km)
これをmになおすから・・・
最後の約分、\(\displaystyle \frac{35}{200}\) =\(\displaystyle \frac{7}{40}\) はしない方がいいね。
長さの単位はmで聞かれているので、1000倍が必要だ。
\(\displaystyle \frac{35}{200}\) ×1000 = 175m
こっちの方が計算が楽かな。
大差はありませんけども。
式処理で済ませてしまうのは確かに楽ですね。
式処理で済む問題だからだけどね。
定番を外れた状況ならば、図をかいて整理しないと解けない。
図が大事であることは間違いないんですからね。