1:つるかめ算

中学受験算数において最も有名な「つるかめ算」です。多くの4年生が、「算数とは計算練習をするだけの科目ではない」ことをはじめて学ぶことになります。
保護者さまへ
中学受験の算数といえば「ナントカ算」と名の付く、様々な特殊算が有名です。
なかでも、もっとも有名なものが「つるかめ算」ではないでしょうか。

つるかめ算は他の文章題の中で1つの計算技術として使われることになります。
必ずマスターしなければならない特殊算です。
※理科の計算問題の中でも必要となります。

1:つるかめ算と具体図

例題1

ツルとカメがあわせて13ひき(羽)います。足の数はぜんぶで36本です。
ツルは何羽いますか。カメは何ひきいますか。
※ツル1羽の足は2本、カメ1ひきの足は4本ですよ。

解説

吹き出し用カンガルー先生イラスト

さて、今日学習するのは、かの有名な「つるかめ算」です。聞いたことある?

吹き出し用まなぶくんイラスト

あるような。ないような・・・

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では「つるかめ算」を生まれて初めて見る学くん、さっそくなんだけど、とにかく問題を解いてみてください。。
習ってないからできません!
ではなくて、いろいろトライしてみてね。

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そんなこと言っても・・・うーん  

保護者さまへ
はじめてこの問題を解く子には、まったく何も教えないで解かせたいですね。
スパッと解けないでしょ。どうやって答えにたどりつこうか、というパズルとしての楽しさを
伝えたい問題です。

あてはめで解く 

保護者さまへ
  
問題にでてきた数、13、36、2、4を適当にくみあわせて計算してるだけの子は要注意です。
算数と向かい合っていません。なんとなく計算をして、なんとなく答えをかく、このような計算をしても、まったく意味がないと強く指導しないといけません。
一方、あてはめで答えを探すアプローチをとった子は大いに褒めてあげてください。
「問題の意味がわかり、どうやれば答えを探し出せるかがわかる」ということは素晴らしい算数力です。
もっとうまく解くやり方があるよ、ということは2次的なことなのです。

また、まったく解き方がわからないで手が動かない子には、あてはめで答えを探すことをうながしましょう。

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いつもいつも、きれいに計算で答えがでるとは限らないんだよ。

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?えーっと、つまり・・・どういうことですか?

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うまくいく答えをひたすら探す、という問題の解き方だってあるんだよ。
やってごらん。

 

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探すといっても・・・何をやったらいいのか分からないです。

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むむむ!そうか。
「あてはめて探す」という解き方をやったことがないかな?
   
この問題の答えの候補は下の表の14通りの中のどれかなんだよ。わかる?

中学受験算数カンガループリント つるかめ算 0011
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あ、はい。わかります。

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この14通りのどれかが正しいんだけど、正しいのはどれ?

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それがわかったら苦労しません。

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では聞き方を変えるけど、この14通りの中のどれが答えになるのか、決め手は何かな?

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足の数が全部で36本になるかならないか・・・

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そうだよね。はい、探してください!!  

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14通り、全部調べるんですか?

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いやいや、運が良ければ一発で当たるかもしれない。
さあ、運試しだ!

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運試しか。よーし。
ツルが10、カメが3ならば・・・
足の合計は、
2×10+4×3=32 
 
32本だ。
あー、不運!!

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でもかなりおしいね。36本と近いよ。
で、次は運試しじゃないよ。頭を使ってね。

先生から改めて問題だよ。

先生からのヒント問題

足が36本になるようにしたいので・・・ツルが10、カメが3(足の合計32本)ではありませんでした。ツルとカメ、どちらを増やしてどちらを減らせばよいですか。

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足を増やしたいんだから・・・
足が多いのはカメ、つまりカメを増やす!

⇒ツルを減らしてカメを多くする!

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正解!
ツルを1減らして、カメを1増やすと
ツルが9、カメが4になるね。足の合計はいくつになるかな?

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2×9+4×4=34 
足は全部で34本です。

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正解なんだけど、もっと簡単に求めよう。
ツル(2本)1羽をカメ(4本)1ひきにかえたんだよ。
足の数は何本増えるかな。

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2本足のツルを4本足のカメに代えた。

2本増えますね。
だから、32+2=34なんだ! 
⇒1ひき交換すると、足が2本増える!!

あ!!ということは・・・
あともう1ひきツルをカメに代えれば、34+2=36になる。
つまりツルが8羽、カメが5ひきのときに、足が合計36本だ。

これが答えです。ツルが8羽、カメが5ひきです。

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正解かどうか、計算して確かめられますね。
ツルが8羽、カメが5ひきのときの足の合計は、
2×8+4×5=36

確かに36本。
うまくいっていますね。  
正解です!  

ところで、ツルとカメの合計が13ひきのとき、下の表のような全14通りが考えられるんだったよね。ツルを1減らして、カメを1増やすと、足は2ずつ増えることが見てとれます。

中学受験算数カンガループリント つるかめ算 0020    

具体図で整理する

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「ツル⇒カメ」の交換で足が2本増えるという話なんだけどね。そんなの当たり前だと思っているかもしれないけれど、腹の底から実感するために、目で見てわかっていただこうと思います。この問題は「具体図」で表すのがぴったりだと思いませんか。

中学受験算数カンガループリント つるかめ算 0030
吹き出し用まなぶくんイラスト

なるほど。目で見てわかりました。
交換したツルとカメ以外は、まったく変化なしですからね。
納得です。

    

吹き出し用カンガルー先生イラスト

さて、さっきは運試しで、カンで調べ始めました(ツルが10、カメが3)。
カンで一発で正解することもあまりなさそうですし、スタート地点は「ツルが13、カメが0」とするのがおススメです。

「もし全部ツルならば」という解法です。    
              
足の数の合計が何本なのかを計算するのが非常に楽ですよ。
これで先ほどの問題をもう一度解いてみてください。

保護者さまへ
 
もし~ならば 「仮定」という高級な考え方ですね。
もちろん、「もしツルが10、カメが3ならば」も仮定です。  
吹き出し用まなぶくんイラスト

具体図で解いてみます。

中学受験算数カンガループリント つるかめ算 0040

   

吹き出し用まなぶくんイラスト

足を10本多くするためには、
10÷(4-2)=5

ツル5をカメ5に代えないといけない。
つまりカメは5ひきいます。
13-5=8
ツルは8います。

なるほど。すごいスッキリ解けましたよ。 

吹き出し用カンガルー先生イラスト

うん、素晴らしいね。
ツルとカメの1ひきあたりの差である2を集める解き方だよ。

                 

保護者さまへ
  
つるかめ算は、面積図で教えられていることが多いです。
しかし、すぐに面積図を指導することはおススメいたしません。
面積図は抽象度が一段階高い図です。具体図での解法を腹の底から理解した後に、面積図へと移行していくべきです。

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