比×比=比
これとは別の、もう1つの比の活用があります。
どちらも、受験算数における大きな柱であり、必ずマスターしなければいけません。
比×比=比
例題1
空のすいそうAとBに同時に水を入れはじめました。入れる水量はAには毎分2L、Bには毎分3Lでした。Bが満水になったとき、Aには全体の \(\displaystyle \frac{4}{5}\) まで水が入りました。AとBの容積の比を求めなさい。
解説
水量の比が2:3
全体の \(\displaystyle \frac{4}{5}\) とあるから、5:4
えっと・・・
(2×5):(3×4)かな?
\(\displaystyle \frac{5}{2}:\displaystyle \frac{4}{3}\) かな・・・?
まったく理解していない状態で、数値をなんとなく組み合わせて計算する・・・
算数において「絶対やってはいけないこと」ですね。
きちんと問題文で起こっている状況を整理してください!
Aには毎分2Lずつ入って、 \(\displaystyle \frac{4}{5}\)
Bには毎分3Lずつ入って満水
で・・・どうしたらいいのかな・・・
では、例えば、水を入れ始めてから5分後のAとBについて、それぞれ整理してみてください。5分ではBは満水になっていないとするよ。
A:2×5=10(L)
B:3×5=15(L)
こういうことですか?
そういうことです。
このような2つのかけ算の式こそが、この問題の状況を表しているよね。
実際にBが満水になった時間は5分とは限らない。何分なのかはわからないけど・・・
「2つの式を見比べて解く」という定番解法パターンに慣れて行こうね。
見比べるということは、「比」について考慮するということでもある。
Bが満水になった時間はわからないけど、AとBで時間の比が1:1ということですね!
A:2×1分=2(L)
B:3×1分=3(L)
Bは1分で満水になった。
そのとき、Aには2Lの水が入っていて、それが満水の \(\displaystyle \frac{4}{5}\) なんだ!!
そういうことです!!
同じ時間で起こったできごとを見比べているんだね。
もちろん時間の比が1:1ということだね。
Aは2Lの水が入っていて、それは満水の \(\displaystyle \frac{4}{5}\) だから、
(A満水)× \(\displaystyle \frac{4}{5}\) =2
より、(A満水)=2.5
AとBの容積の比は、2.5:3=5:6
求まりました。5:6です。
大正解!
「同じ時間で起こったできごとを見比べる」のは、「速さ」の分野で非常に良く出てくるよ。
この例題だって、水位が上がっていく「速さ」の問題でもあるんだけどね。
「同じ時間で起こったできごとを比べる」は「時間の比が1:1」
あたりまえなんだけど、使いこなせない人が多い。しっかり覚えておきましょうね。