食塩水と面積図のまとめ
水を足す
さて、食塩水における面積図の利用も一通り学び終わったところで、面積図について改めて整理をしておきましょう。
第1に、面積図は「食塩水を変化させるとき」に使う図です。
混合とか、水を追加するとか、そういうときです。
第2に、面積図がないと解けない問題があることを学びました。
ですから、面積図が使えることは絶対に必要です。
しかし、面積図がなくても解ける問題があることも事実です。
このあたりのことを整理をしたいと思います。
なんでもかんでも面積図で解いてもいいんですよね?
それでもOKだけど、面積図なしでスッキリ簡単に解ける問題があるのも事実。
急ぐ必要はないけれど、知っておいて損はないからね。
さて、「食塩水を変化させるとき」は4パターンあります。
・食塩水に水を追加する
・食塩水から水を蒸発させる
・食塩水に食塩を追加する
・食塩水に別の食塩水を追加する
まずは、「食塩水に水を追加する」から見ていくことにしましょう。
「食塩水に水を追加する」の問題は、次のようになります。
濃さがア%の食塩水イgに水をウg加えたところ、濃さがエ%の食塩水オgになりました。
このア〜オのうち、どれかは数値を与えて、他のどれかを求めさせる問題になります。
なるほど。
こうやってまとめられてみれば、この他のパターンがないってわかりますね。
では順に見ていきましょう。
アを求める
例題
濃さがア%の食塩水250gに水を150g加えたところ、濃さが5%の食塩水400gになりました。
アに入る値を求めなさい。
解説
ずばり結論を言います!
「水を加えるパターン」の問題に、面積図は一切必要ありません。
もちろん、面積図を使って解いてもかまいませんが。
へえ・・・そうなんだ。
「水を加えるパターン」は、「食塩の量が変化しない」ということなので、
「前の食塩水の食塩の量」=「後の食塩水の食塩の量」
という等式をおけば楽に解けます。
あ、1つ前の問題でもでてきましたね。水を蒸発させる問題で。
そうですね。よく覚えてくれてました。
では、この問題を、「前の食塩水の食塩の量」=「後の食塩水の食塩の量」
という等式をおいて解いてください。
「前の食塩水の食塩の量」は、250✕ア%
「後の食塩水の食塩の量」は、400✕5%
これらは等しいので、
250✕ア%=400✕5%
アは、400✕5÷250=8
求まりました。アは8です。
OK!正解です。
ちなみに、逆比をどんどん使いたいですね。
250✕ア%=400✕5%
は、250:400=5:8なので、
5✕ア%=8✕5%
なので、ア=8ですね。
なるほど!
イ(オ)を求める
例題
濃さが15%の食塩水イgに水を50g加えたところ、濃さが12%の食塩水オgになりました。
イに入る値を求めなさい。
解説
イ+50=オ
なので、イとオは同時に求まります。
当然この問題も、「食塩の量が変化しない」ので、
「前の食塩水の食塩の量」=「後の食塩水の食塩の量」
という等式をおけば楽に解けます。
「前の食塩水の食塩の量」は、イ✕15%
「後の食塩水の食塩の量」は、(イ+50)✕12%
これらは等しいので、
イ✕15%=(イ+50)✕12%
逆比ですね。
イ✕5=(イ+50)✕4
だから、
イ=④
イ+50=⑤
つまり、①=50
よって、イ=200、求まりました。
OK!正解です。
ちなみに逆比を知らない段階では、面積図なしでは解けないパターンになります。
ウ(オ)を求める
例題
濃さが6%の食塩水180gに水をウg加えたところ、濃さが2%の食塩水オgになりました。
ウに入る値を求めなさい。
解説
180+ウ=オ
なので、ウとオは同時に求まります。
当然この問題も、「食塩の量が変化しない」ので、
「前の食塩水の食塩の量」=「後の食塩水の食塩の量」
という等式をおけば楽に解けます。
「前の食塩水の食塩の量」は、180✕6%
「後の食塩水の食塩の量」は、(180+ウ)✕2%
これらは等しいので、
180✕6%=(180+ウ)✕2%
逆比なしでも解けますが、逆比でいきます!
180✕3=(180+ウ)✕1
だから、
180=①
180+ウ=③
つまり、③=540
よって、ウ=360、求まりました。
OK!正解です。
エを求める
例題
濃さが10%の食塩水350gに水を150g加えたところ、濃さがエ%の食塩水500gになりました。
エに入る値を求めなさい。
解説
ただ定義通り計算するだけで求まる基本中の基本問題です。
当然この問題も、「食塩の量が変化しない」ので、
「前の食塩水の食塩の量」=「後の食塩水の食塩の量」
という等式をおいて解くこともできます。
「前の食塩水の食塩の量」は、350✕10%
「後の食塩水の食塩の量」は、500✕エ%
これらは等しいので、
350✕10%=500✕エ%
逆比なしでも解けますが、逆比でいきます!
7✕10%=10✕エ%
だから、
よって、エ=7、求まりました。
OK!正解です。
イとウを求める
例題
濃さが12%の食塩水イgに水をウg加えたところ、濃さが8%の食塩水600gになりました。
イに入る値を求めなさい。
解説
イ+ウ=600
なので、イとウは同時に求まります。
当然この問題も、「食塩の量が変化しない」ので、
「前の食塩水の食塩の量」=「後の食塩水の食塩の量」
という等式をおけば楽に解けます。
「前の食塩水の食塩の量」は、イ✕12%
「後の食塩水の食塩の量」は、600✕8%
これらは等しいので、
イ✕12%=600✕8%
逆比なしでも解けますが、逆比でいきます!
イ✕3=600✕2
だから、
よって、イ=400、求まりました。
OK!正解です。
これで全パターンです。
面積図を使わなくとも、簡単な式処理で答えが求まることが確認できましたね。