「誰が」という視点を無視して、量だけに着目する考え方を「のべ」といいます。
1人が10時間仕事をすることと、2人が5時間仕事をすることは等しいと考えます。

仕事をする人が1種類のパターン

例題1
6人が10時間かかって終わる仕事があります。この仕事を5人でやると何時間で終わりますか。
解説
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1人1人の仕事をする力はロボットのように均一。みんな同じという条件で解いてくださいね。

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はい。 
特別なことわり書きがなければ、算数はそうですよね。

今回も割合が重要なのであって、具体値は関係ないタイプの出題ですね。
今までと同じように全仕事量を勝手に決めちゃえば良さそうだな。
えっと、時間の公倍数を全仕事量にしたい・・・

あれ。いつもと違うな・・・

 

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そうだね。今までとちょっとだけ違うね。
でも、具体値が関係ない問題であることは間違いない。だから、勝手に自分で決めちゃっていいよ。

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じゃあ、6、10、5の最小公倍数の30
全仕事量を30としてみます。

6人が10時間で30の仕事をする。
30÷10=だから、
6人が1時間での仕事をする。

つまり、1人が1時間で0.5の仕事をする。

あ、できそうです!

5人が1時間で2.5の仕事をするから、
30÷2.5=12
 
求まりました!12時間です。

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正解です!しっかり解けたね。

いくつかポイントがあるからね。理解を深めていくよ!

まず、全仕事量を30としたら、途中で小数がでてきたね。 
 
1人が1時間で0.5ってところ。

0.5なら計算が面倒ではないけどね。
    
小数や分数がでてくることがあるから、必ずしも最小公倍数がベストというわけではないんだ。今回なら最小公倍数30の2倍、60を選ぶのがベストだったかな。
   
そうすれば、1人が1時間でする仕事量はになった。

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でも、60がベストだなんて、解きはじめたときにはわからないですよ。

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まったくその通りです。
だから、はじめからある程度大きめの数をおいて解き始めるのもテクニックの1つです。
例えば、全仕事量を120とかから解き始める。

あるいは、もう1つのテクニック。
解いている途中で小数、分数がでてきたら、その時点でやり直すという方法もある。
特に分数がでてきたら、全体をその分母倍して解き直すのはとても重要なテクニックだよ。

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はい。
ということは、1人が1時間で0.5となった時点で、はじめの設定の2倍にしてやり直せばいいのか。

つまり、全仕事量を60としてやり直す・・・

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そういうことです。
そうすれば、すべて整数だけで処理ができますね。

では、次の話題。
さっき、学くんは、全仕事量を決めるところから解き始めたけど、この問題は、別のところから解き始めた方が楽じゃないかな?  
勝手に自分で決めちゃっていい値は、全仕事量じゃなくてもいいからね。

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確かにそうですね。
1人が1時間でする仕事量をとする。

ここからスタートすれば楽ですね。

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そういうことです!

この問題では、まったく同じペースで仕事をする人が、複数いるだけだからね。

6人の1時間の仕事量は
5人の1時間の仕事量は
こういうタイプの問題なんだね。

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1人が1時間でする仕事量をとすれば、
6人が1時間でする仕事量を
6人が10時間でする仕事量は60
これが全仕事量。

5人が1時間でする仕事量はだから・・・
×?=60

?=12時間
なるほど、すっきり解けますね。

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そういうことです。完璧な解き方ですね。

あと、
この問題は逆比の問題であることにも気づいてね。
6人が1時間でする仕事量を
5人が1時間でする仕事量を

1時間にする仕事量が6:5なら、同じ仕事をするのにかかる時間は5:6だよね。

×10=60
×12=60
10時間と12時間、比をとれば5:6です。

この問題のように、誰が仕事したのかはどうでもよくて、「総量に着目する」見方を「のべ」と言います。
6人が10時間仕事をするのも、5人が12時間仕事をするのも、1人が60時間仕事をするのも、すべて同じという見方です。

その2を学ぶ

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