通過算

 

代表例3つのまとめ

代表例3つのまとめ

1.列車Aが、鉄橋(ホーム・トンネル)を通過
(列車Aの長さ+鉄橋の長さ)÷列車Aの速さ=通過にかかる時間
   
2.2つの列車のすれ違い
(列車Aの長さ+列車Bの長さ)÷(列車Aの速さ+列車Bの速さ)=すれ違いの時間

3.2つの列車の追いこし
(列車Aの長さ+列車Bの長さ)÷(列車Aの速さ-列車Bの速さ)=追いこしの時間

※人は長さ0mの鉄橋、あるいは電車とみなします。

吹き出し用カンガルー先生イラスト

通過算の代表は上の3つだ。
3つをまとめて見ると、3つに共通点があることに気づけますね。

 

吹き出し用まなぶくんイラスト

?えっと・・・何が共通かな?

 

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(距離)÷(速さ)=(時間)

が速さの基礎の仕組みですよね。

通過算は(距離)がポイントなんだよ。

3通り、どれも、「長さの和」になっているでしょ。

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ああ、本当だ。
長さの和ですね。

「列車Aの長さ+鉄橋の長さ」か
「列車Aの長さ+列車Bの長さ」

 

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そういうこと。

この3パターンはどれも、ほとんど同じものであることを理解することが今回の目標。3つはどれも「まったく同じ式」なのです。

 
  

通過

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下の図は、列車AがB駅ホームを通過し始めた図だ。

 

中学受験算数カンガループリント 通過算 0300
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列車の最後尾の紫の人とB駅ホームの右端の黄色い人がいる。

AがB駅ホームを通過し終わるのは、    
紫の人と黄色い人が出会うときだよね。

だから、通過にかかる時間は、
(Aの長さ+Bの長さ)÷(2人の距離が縮まる速さ)=(通過にかかる時間)
となる。
(2人の距離が縮まる速さ)は、今回は、「Aの速さ」だね。

 

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はい、わかります。

 

すれ違い

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では、次。すれ違いを見てみよう。
さっきとまったく同じ図であると気づくことが最大のポイント。

違うのは、Bが右から左に進む列車になったこと。
それ以外はBが駅のホームだったときの図となにも変わらない。

 
     

中学受験算数カンガループリント 通過算 0310
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AとBがすれ違い終わるのは、紫の人と黄色い人が出会うときだよね。
だから、通過にかかる時間は、
(Aの長さ+Bの長さ)÷(2人の距離が縮まる速さ)=(通過にかかる時間)
となる。
(2人の距離が縮まる速さ)は、今回は、「AとBの速さの和」だね。
  
Bがホームでも列車でも、まったく同じ式になったことがわかったかな。
どちらも、
(Aの長さ+Bの長さ)÷(2人の距離が縮まる速さ)=(通過にかかる時間)
になっています。

 

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なるほどー。
ホーム通過も、列車のすれ違いも、左端と右端が出会うまでの旅人算なんですね。

 

追いこし

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では最後だね。列車の追いこしも同様に扱えることを確認するよ。

Bが左から右に進む列車になっただけで、上2つとまったく同じ図であると気づくことが最大のポイント。

 
     

中学受験算数カンガループリント 通過算 0320
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AがBを追いこすのは、紫の人と黄色い人が出会うときだよね。
だから、通過にかかる時間は、
(Aの長さ+Bの長さ)÷(2人の距離が縮まる速さ)=(通過にかかる時間)
となる。
  
(2人の距離が縮まる速さ)は、今回は、「AとBの速さの差」だね。
  
3パターン、すべて同じ、たった1つの式を理解すればよいことがわかったかな?

 

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はい。確かにそうなっています。わかりました。

通過算は、
(Aの長さ+Bの長さ)÷(2人の距離が縮まる速さ)=(通過にかかる時間)
というたった1つの公式だけで解決できるってことですね!

 

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定番パターンの問題ならば、そういうことです。

 

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じゃあ、今までたくさん図をかいてきたけれど、もうかかないで解いちゃっていいですか?たった1つの公式を間違えずに暗記していれば。

 

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図をかかなくて良いか、図をかいて解くべきか、
これに関しては人によります。
「通過算の初心者」ならば、絶対に図をかいて解かないといけない。
常に、図で公式を確認しながら解いていくべきです。
図示の達人ならば、図をかかないで公式一発で解いてしまってかまいません。

なぜなのかと言えば、公式を使えるのは「定番パターン」のときだけだからです。

定番から外れた問題は、図をかいて確認しないと解けません。
公式だけでは解けないのです。
結局、図をかく能力そのものを上げておかないといけないんだ。

そして、図示をしても、どこに着眼すれば良いかわかりづらいときもある。
そんなときのためのポイントも教えたよ。覚えてる?

 

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「通過が終わったとき、同じ地点にいるものに着目」です。

 

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うん、きちんと覚えていてくれてよかった。

ただし、通過算は定番パターンの出題も非常に多い。
だから、定番パターンの図示をたくさん練習して、完璧な理解と暗記をしている達人レベルになっていれば、定番パターン問題は図をかかないで解いてしまってかまわない。
そして、定番外しの問題に対しては、その場で図をかいて対応する。
これが通過算の到達目標なのです。

 

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公式は使ってもいいけど、図がきちんとかけることが大事ってことですね。

 

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その通り。
図示をしながら、公式の確認をしていきましょう。

まずは、
(Aの長さ+Bの長さ)÷(2人の距離が縮まる速さ)=(通過にかかる時間)
という公式は覚えてしまいましょう。
その上で、自分で図をかいて確認していきましょう。
この公式で解ける問題なのか、そうでない問題なのか。

基礎固めほど大事なものはないからね。基礎固めされてない状態で応用問題を学習しても、時間の無駄にしかならないからね。

しっかり定番パターンをくりかえしてください。これをマスターしたら、次に、「定番外し」を見ていくからね!

 

保護者さまへ
   
基礎固めができていない状態で、レベルアップ問題を解いている。
そんな6年生をたくさん見てきました。
時間の無駄です。
基礎固めを大事にしてください。

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