流水算
流水算と旅人算・流速が不明タイプ
例題1
太郎はボートで下流のA地点から上流のB地点へ、花子はボートで上流のB地点から下流のA地点へ同時に出発しました。AB間の距離は4.8kmあります。太郎のボートの静水時の速さは分速180m、花子のボートの静水時の速さは分速140mです。太郎と花子は出発から何分後に出会いますか。
解説
出会いの旅人算ですね。
流速がわからないな・・・
そうだね。流速を求めたい気がするよね。
でもね、とにかく情報を整理してみるしかない。
わからない箇所は空けておいて、式で整理するという技術もとても有効です。
流速はわからないまま、出会いの旅人算の式をかいてみようか。
太郎:上りボートの速さは、(180-流速)
花子:下りボートの速さは、(140+流速)
この速さの2つのボートによる出会いの旅人算。
距離÷速さの和=時間なのだから、
4800÷{(180-流速)+(140+流速)}=?分
できました。
うん。カンペキですね。
2つのボートが、1分で何mずつ近づくか、この式からわかるじゃないですか。
え?わかるの?
4800÷{(180-流速)+(140+流速)}=?分
あ!流速の値はわからないけど、消えますね。
180-流速+140+流速=320
符号違いだから、足したら消えるんだ!
つまり、4800÷320=15分
2人は15分で出会います!
カンペキです!
この出会いの旅人算で、流速が消えるというのは、有名パターンです。必ず覚えておいてね。
例題2
花子がボートで下流のA地点から上流のB地点へ出発してから4分後に、太郎もボートでA地点からB地点へ出発しました。太郎が出発してから9分後に2人は同時にB地点に着きました。太郎のボートの静水時の速さは分速140m、花子のボートの静水時の速さは分速100mです。A地点とB地点の間の距離は何mですか。
解説
また流速がわからない問題ですね。
そして、今度は「おいかける旅人算」
先ほどの「出会い旅人算」と同じように式にしてみますね。
うん、学習したことを次に同じように試してみる。
とてもいい姿勢ですね!
2人の分速についてまとめます。2人とも上りですね。
太郎:ボートの速さは、(140-流速)
花子:ボートの速さは、(100-流速)
まず花子1人が4分進む。
(100-流速)×4
この距離をとりあえず□mとしておきます。
そして、この距離を追いかけの旅人算。
太郎が花子に対して差をつめていって、9分で追いつく。
距離÷速さの差=時間なのだから、
□÷{(140-流速)-(100-流速)}=9分
はい、とてもいいですね。
流速の値はわからないけれど、
(140-流速)-(100-流速)
の値はわかりますね。40です。
太郎が花子に対して、1分でつめる差は、40mですね。
今回も流速の値はどんな値であっても関係ないですね!
その通り!
2人とも同じ流速だけ遅くなっている。
静水時の差=40は、流速がいくつであっても保たれるからね。
ということは、
□÷{(140-流速)-(100-流速)}=9分
は、
□÷{40}=9分
□=360m
□とは、花子1人が4分進んだ距離のこと。
□=360=(100-流速)×4
だから、流速=10
流速は、分速10mですね。
完璧です。
あとは問題で聞かれていることに答えればOKです。
AB間の距離が聞かれている。
太郎は9分かけて花子に追いついた。その地点がBなのだから、
AB間の距離は、太郎が9分かけて進む距離。
(140-10)×9=1170
求まりました!
1170mです。
正解です!
花子の方でも、AB間の距離をだして確かめをしておこう。
花子はAB間を、4+9=13(分)かけて進んだから、
(100-10)×13=1170
同じ値がでたね!