通過算と比

通過算と比

例題1

ある電車が180mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに16秒かかり、300mのトンネルに入り始めてから出終わるまでに22秒かかりました。この電車の長さは何mですか。またこの電車の速さは時速何kmですか。

解説

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ここからは、「通過算と比」を学んでいきましょう。

以前、2つの線分図をかいて、差をとって解いた問題です。
今でもちゃんと解けますよね?

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解いてみますね。
こんな図ですね。


中学受験算数カンガループリント 通過算 0640
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6秒で120mだから、秒速20m、これが電車の速さ。
16秒で320m進むから、320-180=140
電車の長さは140m

大丈夫です。解けました。
正解ですよね?

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はい、正解です。

今日はこの問題の、比を用いた別解を学習します。
ここから「通過算と比」はスタートします!

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この問題では、2つの通過についてかかれていますね。

それぞれを式で表してみましょう。
どのような式になるかが瞬時にわからないならば、もちろん通過算の図をかいて確認するんですよ。
そして、通過算の基礎に戻って練習すべきです。「比の利用」の学習をする前に、基礎固めをしっかりやっておくべきだよ。

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通過算の基礎はばっちりですよ!

(距離)÷(速さ)=(時間)
(180+電車の長さ)÷(電車の速さ)=16秒
(300+電車の長さ)÷(電車の速さ)=22秒

となりますね。

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うんOK!

もちろん
(速さ)×(時間)=(距離)
(電車の速さ)×16秒=(180+電車の長さ)
(電車の速さ)×22秒=(300+電車の長さ)

でもOKだ。どちらも同じことを表している式だよね。
6÷2=3と2×3=6が同じなのと一緒です。

どちらで解いてもいいけど、今回は
(速さ)×(時間)=(距離)
(電車の速さ)×16秒=(180+電車の長さ)
(電車の速さ)×22秒=(300+電車の長さ)

で解きましょうかね。
あとはこの2つの式を比べることで答えをだすことができます。

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比をとるんですよね・・・
速さの比は・・・1:1
同じ電車が同じ速さで進んでいるから。
時間は分かっているから、距離の比が計算できます。

つまり、
(速さ)×(時間)=(距離)
電車の速さ①×16秒=⑯(180+電車の長さ)
電車の速さ①×22秒=㉒(300+電車の長さ)

です。

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そういうことです。

あとは計算するだけで答えが出るからね。
やってみてね。

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⑯=(180+電車の長さ)
㉒=(300+電車の長さ)
がわかった。2つの式の差をとれば、
⑥=120
6で割って、
①=20
つまり、電車の速さが秒速20mということ。
そして、⑯=320=(180+電車の長さ)
より、電車の長さは140m
求まりました!

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大正解!
比を活用することで、式処理だけで解くことができたね。

以前は線分図で解いた問題なのだけど、この式処理の解き方もどんどんできるようになって欲しいのです。

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なぜですか?

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線分図で解くとかなりつらい問題があるからなんだ。
でも、比を使って式処理すれば簡単。
そういう問題があるんです。

次のページでそんな問題をやりましょう。

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