流水算と比の利用
流水算と比の利用
例題
ある船が川の下流Pから上流Qまでを上るのに65分かかりました。同じところを下るとき、船が故障して、船の静水時の速さが上りのときの60%になりました。下りにかかった時間は52分です。もしQからPまで川の流れに流されて進むならば、何分で着きますか。
解説
流水算は2つの要素があるよね。
1つは、「普通の速さ」としての処理。
もう1つは、速さのうちわけを考えること。以下の2つの式のことだよ。
「上りの速さ」=「静水時の速さ」-「流速」
「下りの速さ」=「静水時の速さ」+「流速」
よく整理して1つ1つ処理していくんですよ。
はい、今回もワンパターンですね。
「上り」と「下り」で同じ距離を進んでいます。
だから、速さの比はかかった時間65分と52分の比の逆比。
52:65=4:5
上りの速さは、④
下りの速さは、⑤
とおけます。
そして、船が故障して、船の静水時の速さが上りのときの60%になったのだから、静水時の速さは、
上りが5で下りが3
流水算なのだから、速さのうちわけの式に入れます。
「上りの速さ」=「静水時の速さ」-「流速」
「下りの速さ」=「静水時の速さ」+「流速」
に、これまでの情報を入れると、
「上りの速さ」④=「静水時の速さ」5-「流速」
「下りの速さ」⑤=「静水時の速さ」3+「流速」
あとは消去算ですよね・・・
えっと・・・「流速」が符号違いでそろってるから、「流速」を消すかな。
うん。カンペキです。
「流速」を消してもいいし、他の○や□をそろえて消してもいいよ。
とにかくやってごらん。
「上りの速さ」④=「静水時の速さ」5-「流速」
「下りの速さ」⑤=「静水時の速さ」3+「流速」
「流速」がはじめからそろっている。
符号が違うので、2つの式の和をとります。
和をとると、
⑨=8
で・・・えっと・・・
⑨=8
ということは、異なる2つの比が、1つにそろえられるということですよ。
〇と□の2つの表現を、1つの表現に統一できるのです。
この式処理は、しっかり覚えましょうね。
⑨=8
なので、最小公倍数の72でそろえます。
⑨=8=△72とすると、
「上りの速さ」④=「静水時の速さ」5-「流速」
「下りの速さ」⑤=「静水時の速さ」3+「流速」
は△に統一できます。
「上りの速さ」△32=「静水時の速さ」△45-「流速」△13
「下りの速さ」△40=「静水時の速さ」△27+「流速」△13
その通りです。
つまり、この問題では具体値は最後までわからないんですよ。
仕事算みたいな問題なのです。
なるほど。
で、求める値は、
QからPまで川の流れで何分かかるか。
QからPまでの距離は、
船の上りで計算すると、△32×65分=△2080
船の下りで計算すると、△40×52分=△2080
「流速」は△13だから、
△2080÷△13=160
求まりました。
160分です!
正解です!
もちろん、最後の計算は、△2080は求める必要はないけどね。
△32×65分の距離を△13の速さで進むから、かかる時間は、
\(\displaystyle \frac{32×65}{13}\)=160
13で約分ができるから計算が楽だよね。
もちろん、上りでも下りでも同じ距離△2080になることで、今までの計算が正しいことを確かめてもいいけどね。
\(\displaystyle \frac{40×52}{13}\)=160
で確かめるのが楽かなあ。