速さと比

「速さと比」は、多くの生徒が不得意とする単元です。しかし、中学受験においては主役の単元であり、この単元での得点力は、合否に直結すると言っても過言ではないでしょう。

速さの比の基礎の基礎

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いよいよ速さに比の要素を導入します。これで最終形です。

まずは、今まで学んだことをおさらいしておきます。

(速さ)×(時間)=(距離)   

これだけです。「速さ」の問題を成り立たせる仕組みは、この式たった1つです。この1つだけで、今までの速さの問題は作られていました。

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え・・・?「通過算」とか「流水算」とかいろいろあったけど。
たった1つの式でしたっけ?

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はい、たった1つです。

「通過算」も「流水算」も、「速さの基本的な仕組み」に「おまけの要素」があっただけです。
根幹となる仕組みは、
(速さ)×(時間)=(距離)  
これだけでしたよ。

次に「通過算」や「流水算」を学習するときは、これを意識して解いてみてね。

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で、旅人算は、「速さ」と「距離」が、少しだけアレンジされているだけ。

(AとBの速さの和)×(時間)=(AとBの距離の和)    
(AとBの速さの差)×(時間)=(AとBの距離の差) 

2人の和、差に変わっただけです。
(速さ)×(時間)=(距離) 
というたった1つの式です。

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そう言われてみれば、そうなのかな・・・

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そうですよ。
 
そして、この速さの「3つの要素」である「速さ・時間・距離」のうち、2つが問題で与えられます。これを用いて最後の1つを計算するだけです。

今までやってきた問題は突き詰めればこれだけなのです!

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そして「速さと比」も、これと大差はありません。
「比」というくらいですから、2人の進み方を比べるわけですが、特に難しいことはありません。例題で見ていこうね!

例題1

太郎の歩く速さは分速45m、次郎の歩く速さは分速75mです。2人は健康のために毎朝散歩をします。ある日、太郎は20分、次郎は10分散歩をしました。この日の2人の歩いた距離の比を求めなさい。

解説

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ただの計算問題じゃないですか。

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そうですよ。
きちんと計算しましょう。
    
(速さ)×(時間)=(距離) 
  
とにかく、この式1つにつきることを理解して下さいね。

  

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(速さ)×(時間)=(距離) 
太郎:45×20=900 
次郎:75×10=750        
2人の進んだ距離の比は、900:750=6:5
求まりました。
6:5です。

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うん。正解。
難しく考える必要はないよ。

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さて、ここで確認しておきたいことがある。
それは、
(速さの比)×(時間の比)=(距離の比)
ということなんだ。
※厳密にはこのような表記はしませんが。 

太郎と次郎の速さの比は、
45:75=3:5

太郎と次郎の進んだ時間の比は、
20:10=2:1

これらの比を用いて、太郎と次郎の進んだ距離の比は計算できます。

太郎:3×2=6 
次郎:5×1=5
2人の進んだ距離の比は6:5
さっき、具体値で求めたものと一致しますね! 

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はい。
そうですね。
具体値でなく、比で計算しても求まりますね。

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結局は、下図のようになっているということなんだ。
1山の具体値は関係ないのです。


中学受験算数カンガループリント 速さと比 導入 0001
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10分で太郎は3山、次郎は5山進む。
太郎は20分で、6山進む。
1山が何mであってもこれが成り立つということか!

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