中学受験算数における計算力
一口に計算力といっても様々な要素が絡み合っていますが、
最も重要なポイントとして、通分と約分を挙げたいと思います。
分数の計算が苦手だ、面倒だ、という子は非常に多いです。
なぜなら、通分、約分にやり慣れていない子にはかなり労力の多い処理だからです。
・通分
分数の足し算・引き算のさい、異なる分母を公倍数(最小公倍数が普通)にそろえること。
・約分
分子と分母を、最大公約数で割ること
いずれも、約数・倍数という「数」そのものに関わる処理です。
例として下の計算をやってみて下さい
いかがですか?
通分(分母の最小公倍数を探す)にどれくらい時間がかかりましたでしょうか?
ここに30秒とかかけていてはダメなんですね。
練習して10秒に縮めることを目指せば良いのでしょうか。
違います。
上の例ならば、算数が得意な子は通分にかける時間は0.1秒です。
どうやって計算するのか。
計算はしません。
12、15、20は非常によく使う数なので、その倍数はある程度覚えてしまっているのです。
あるいは、60(今回の通分の結果の分母)はよく使う数なので、その約数はある程度覚えてしまっているのです。
九九を暗記したように、
九九を超えてもう少し、
何個かかけ算を暗記してしまいましょう。
これで劇的に子どもの計算への苦手意識を軽減できますから、算数の勉強に対して前向きになれます。
(もちろん単純にテストの点数が上がりますので・・・)
※割る数が2桁の割り算も、子どもは非常に苦手ですが、その理由は割る数(2桁)のかけ算を暗記していないからです。
※ちなみに例題の計算の結果は 48/60 となります。これの約分で詰まる子はほぼいないと思いますが、
見た瞬間に4/5であるとわかる子の方が有利です、つまり最大公約数12が見える子が有利。
これは48分が4/5時間であると一瞬で変換できることにもつながります