4:公式(定理)の暗記について 前編

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公式は暗記しないと話にならない

公式(定理)の暗記について詳しく見ていきます。

まず「公式(定理)」と名のつくものは
暗記しないと話にならない、というあたりまえのことを強調したいと思います。

その公式の導出原理まで含めた暗記なのか、原理までは理解してなくてもよいのか、
意見は2つに分かれるといえます。

実は、より深く学習の詳細を分析すると、
算数における公式とのつきあい方は、上記のような2つより、もっともっと細かく分かれます。

いくつか例を挙げで見ていきましょう。

三角形の面積を求める公式 底辺×高さ÷2

これは絶対暗記であり、かつなぜそうなるのかまで完全理解しておくべき基礎公式です。

円すいの測面積の公式 母線×底面の半径×円周率

絶対暗記の必要はあるが、なぜそうなるかを完全理解できなくてもよいだろうという公式
(塾の授業において、ハイクラスならば、なぜについての授業はあるはずです。ただし、絶対に公式の導出まで完全理解、再現ができるようになっておくこと、とは強く指導されないはずです。最悪知らなくてもいいよという指導がされます。)

すい体の体積の公式 底面積×高さ÷3

絶対暗記です。
なぜ÷3なのかについての原理を理解しておく必要は一切ありません。
積分の厳密性を無視した、それっぽい小学生向き解説はあります(結構有名です)。
しかし、原理を理解しておく必要は一切ありませんと指導したとして、
教育者として間違っているとはまったく思いません。
理由は後述します。

N角形の対角線の本数の公式(N-3)×N÷2

使用頻度はあまり高くないですが、公式は暗記すべきです。
しかし、公式そのものは忘れてもよいので、公式の導出原理を理解・暗記しておくべきと指導されることがほとんどです。
なぜなら、公式の導出原理がきわめて容易いからです。
無味乾燥な式の暗記よりも、論理の方が正確に覚えていられるからです(テストのその場で、短時間で公式を導けるから)。

断頭三角柱の体積の公式 底面積×高さの平均

使用頻度はあまり高くない。
無味乾燥な公式の暗記はしたくないが、
原理を理解することの方が難しく、丸暗記で済ませたい公式
(公式そのものが複雑でないため、暗記の苦労も少ない)。
※断頭三角柱は、その公式を知らなくとも、上手に切り分けることで、既知の柱体とすい体に分けられます。
そういう意味では、公式なしでも処理できるのですが、ハイクラスの授業においては必ず公式で指導されるでしょう。そして、ハイクラス以外では断頭三角柱の体積を求めることなどそもそもないでしょう。

メネラウスの定理 (どんな定理なのかは割愛します)

使用頻度は限りなくゼロに近い。
もし適用できる図形が出題されたとしても、相似形を習熟していればメネラウスの定理は一切必要ない。

いかがでしょう。
一口に公式(定理)と言っても、実に様々な指導のされ方をします。

公式は正しく適用ができればそれでいい

公式(定理)は、丸暗記は絶対ダメで、その原理まで理解しておくべき、
という非常に耳に聞こえの良い意見ばかりいう人がいたら、
中学受験算数の指導者としてはかなり低レベル、あるいはアマチュアなのではないのかな、と思います。

上でみたように、「暗記」なのか「暗記はダメ」なのか、混沌としているのが実情です。

原理まで理解しておくべきだという公式と、
原理まで理解しなくても良いと指導される公式

この差は一体なんなのでしょうか。

ずばり言うと、
「小学生には難しすぎるものは、なぜそうなるのかは置いといて、公式を丸暗記しておこう」

これが基本スタンスです。

なんだかポリシーがないなって感じますよね。

首尾一貫した教育のあるべき形、ならば
・小学生には導出原理が難しいような公式なら、それは教えない。
・中学校側も、それを使わないと解けないような問題は出さない。
このようになっていそうなものです。

しかし、実情はそうはなっていません。
塾の指導の話だけでなく、実際の中学入試でも、です。
たとえば多くの学校で、「すい体の体積」が出題されます。

ポリシーのない半端な学校だけが出題しているのではなく、いわゆる伝統校でも出題されます。
例えばすい体の体積は、開成で頻繁に出題されています。
しかもご丁寧に、「すい体の体積は、底面積×高さ÷3で求められます」
という注意書きまでつきます。

つまり、「すい体の体積を習ってきていない子も、本校に入学してくださいね」
というメッセージであり、かつ
「なぜこの公式が成り立つのかわからなくてもよいから、公式の適用ができればよい」
というメッセージでもあります。

公式とどのようにつきあっていくべきなのか。
算数教育における公式の位置づけとは。

長くなりましたので続きは次回とします。

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