計算力がないと、算数を楽しむことはできない
算数の学習の根幹とは、仕組みや構造の理解です。
もう少し易しく言えば、考える楽しさであったり、工夫する面白さです。
算数教育が話題になるとき、大半はこの点に焦点があるように思います。
それだけ世間での注目度が高いのでしょう。
我が子の「思考力」を伸ばしたい。
このように多くの親が考え、それに応えるように多くの進学塾がこの点を強調し、この点を伸ばすことを売りに集客争いをしています。
しかし
計算力がないと、算数を楽しむことはできないのです。
考える楽しさや、工夫する面白さを真に味わうためには、最低限の計算力が必要です。
※正確には、計算力なしで算数の楽しさを味わえる部分は限られている、です。
途中の計算で時間かかっているうちに迷子になる
計算力がなさすぎて、算数の根幹である「考える楽しさ」に到達できない子は非常に多いです。
計算は主役ではありませんが、ある程度の計算力は必須なのです。
スポーツにおいて、筋力、持久力が無さすぎるとどうなるでしょうか。
テクニックうんぬん言っている場合ではありません。
ボールを巧みに操る技術を習得するためには、最低限の筋力や持久力が必要なのです。
算数における計算力は、スポーツにおける基礎体力のようなものといえます。
ではどの程度の計算力があれば良いといえるのでしょうか。
これだけあれば大丈夫!という絶対の基準はありませんが、ある程度の指針はいつか別のコラムで提示できればよいなと考えています。
※ものすごく大雑把にいえば、分数、小数の計算が苦手でない、が大事です。
「計算が速い」と「算数が得意」は間違いなく正の相関があります。
思考力に気を取られすぎて、計算力を疎かにしないようにして欲しいと思います。
ちなみに、小学生相手に教える根幹の仕組みで、理解することが非常に難しい内容など、ほとんどありません(まったくないと言いたいです)。
抽象能力の個人差と、年齢的な発達速度の差によっては理解が難しい箇所もあると思いますが、基本的には正比例しかやらないと言ってしまってもよいくらいです。
算数が苦手な子は、計算が遅い場合が非常に多いです。
解答に至るまでの過程が3,4ステップある問題の途中で、途中の計算で時間かかっているうちに迷子になってしまうというケースが非常に多いです。
計算力をアップさせることは非常に重要であると心得ましょう。
思考力を支える要素は何かと考えてみるに、結局は計算力が占める割合がかなり高いであろうというの事実です。