サイトアイコン 中学受験算数の家庭学習教材 カンガループリント

3:消去算という名の連立方程式

塾で方程式は教えられている

「中学受験で方程式を使っても、なんの問題もない」
「中学校側も方程式を減点することはない」と書きました。
さらに詳細を見ていきましょう。

疑問2 ではなぜ進学塾は方程式を教えないのか。

一言では説明できないので、細かく説明していきたいと思います。

まず第一に、塾が方程式をまったく教えていないのか、というとそんなことはないのです。
まぎれもない「方程式」を教えているという事実があります。

その筆頭は「消去算」です。
消去算は4年の終わりごろ~5年のはじめごろに教えられます。
注 塾によって差があります。

消去算とは以下のような問題です。

問題
アップルパイ2個とシュークリーム3個で合計980円
アップルパイ3個とシュークリーム1個で合計840円
のとき、アップルパイ1個はいくらですか。

大人から見れば連立方程式の問題ですね。
アップルパイ1個の値段をX円、シュークリーム1個の値段をY円とすると、
2X+3Y=980・・・①
3X+ Y=840・・・②

残りは①、②式を連立して解けば終わりですね。
一例を書きますと
2X+3Y=980 ・・・①
9X+3Y=2520・・・②×3

2式の差をとれば、
7X=1540
より、X=220   220円

では、この問題を小学生はどのように解くのでしょうか。
中学受験の世界では、どのように指導されているのでしょうか。

実は、小学生も上記の連立方程式の解き方でこの問題を解きます。

多くの塾では、X、Yは用いないで
アップルパイ1個の値段を①円、シュークリーム1個の値段を1⃣円とすると
②+3⃣=980
③+1⃣=840
のように少し表現を変えてはいますが。
残りの計算処理は、なんらX,Yを使った大人のものと変わりありません。

様々な別解がある算数ですが、この消去算を、上記の解き方以外で指導する塾は
皆無と言って間違いないでしょう。この問題には別解がありえません。
注 Xを消す解法は別解ではありません。ここで言う別解はまったく別のアプローチで解く解法のことです。

結局、進学塾でも方程式を教えているという事実。

ではなぜ、家で親が子どもに方程式で指導をすると、
「塾と教え方がちがう!」となるのか。
「中学受験の算数はきわめて特殊なので、親が教えるのはやめた方がよい」
といわれているのか。

次の記事で詳しく見ていきましょう。

続きの記事はこちら

Follow me!

モバイルバージョンを終了