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10:算数的解法の鮮やかさ 2016 聖光

2016聖光 帰国入試の速さ。
算数的に解決するとどうなるのか見ていきましょう。

まずは問題を再掲します。

聖さん、光さん、学さんの3人がP地点とQ地点の間を移動しました。P地点とQ地点の間にR地点があり、P地点とR地点の間の距離は420mです。
まず聖さんがP地点からQ地点に向けて出発し、同時に光さんがR地点からQ地点に向けて出発しました。その後しばらく経ってから、学さんがQ地点からP地点に向けて出発しました。
聖さんと光さんが出発してから10分後に聖さんは光さんを追い抜き、その後、聖さんと学さんがすれ違いました。聖さんと学さんがすれ違ってから45秒後に、光さんと学さんがすれ違いました。そして、聖さんと光さんが出発してから26分36秒後に、学さんがP地点に到着しまた。
3人の移動する速さはそれぞれ一定で、聖さんと学さんの移動する速さの比は9:10でした。このとき、次の問いに答えなさい。
(1)聖さんと学さんがすれ違ったのは、聖さんと光さんが出発してから何分後ですか。
(2)と(3)は割愛。

以下、算数的解法をいくつかご紹介します。

算数的解法1

26分36秒=26.6分は次のように言いかえられる。
聖が出発してX分後に学とすれ違った。
学は聖とすれ違ってからY分後にP地点に着いた。
X+Y=26.6である。
聖と学の速さの比は9:10なので、XとYの比は10:9である。
(同じ距離を進んだときの時間を比べているから)
よって、X=26.6×9/19 =14  答え 14分

なんと鮮やかでしょう!!
スッキリ!!気持ちいい!!と思いませんか?

問題内に潜む解決へのカギをいかに発見するか。
まさに数理パズルを解く、思考の柔軟さと言えるでしょう。

算数的解法2

もし学が、Q地点より後方S地点からスタートしていて、聖と同時に出発していたら
(当然、もとの問題設定と同じとき、同じ場所で聖とすれ違う、そんな学です)。

聖と学は同じ時間進んですれ違うので、すれ違うまでに進んだ距離の比は速さの比と同じ、
9:10です。
また、学はSP間を26.6分で進みました。

よって学は、26.6×9/19 =14  14分ですれ違いました。

こちらの解法もお見事ですね。

算数的解法3

ダイヤグラムで表してみましょう。
先に説明した解法1、解法2が、奇抜なアイデアというよりも、確かな当然のこととして
見えてきますね。

問題のポイントを解きほぐす力

いかがでしたか。
方程式だけを機械的にやっていては養えない、問題を解きほぐす力。
やはり、難関校を目指すのならば、この力を育めるようなカリキュラムで学習をしていかなくてはなりません。はじめから方程式オンリーで、という学習では無理といえるでしょう。

ちなみに、この聖光の問題の難度はかなり高いです。
必ずしもこのレベルの問題が解けなくとも、難関校に合格することは可能です。
あまり不安にならないで、基礎からきっちりしっかりゆっくり学習していきましょう。

補足 算数、数学が好きな保護者様へ。ちなみにPQ間の距離は不定です。最後まで確定しません。
つまり学が何分遅れで出発したかも確定しません。

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