算数は積み上げ科目
算数は徹底的な積み上げ科目です。
基礎の土台があってはじめて、その上につぎの論理を載せていきます。
基礎から1つ1つわかっていくことが大事ですし、それ以外に上達はありえません。
また基礎の土台部分は、「わかった」より上のレベルを目指さないといけません。
基礎の土台に関する箇所は、考えて解いているようではダメで、
もはや「あたりまえ」という段階になっていないと話にならない、ということが起きます。
基礎の土台がとてつもなく重要なのです。
この土台作りを疎かにすると、取り返しのつかない致命傷を負うことになります。
基礎固めが不十分な状態で、実力以上の問題に時間を割くという非効率極まりない学習をして、伸びない伸びないと苦しんでいる子がとても多いです。
具体例の方がわかりやすいかもしれません。
例えば食塩水の基礎の基礎を習ったとします。
はじめに習うのは食塩水の濃さの定義(=公式)です。
はじめは公式によるただの計算処理問題で練習を積みます。
学習初期は一つ一つ考えて計算をしていくのですが、練習を積むことによって、感覚的にわかる、もはや「あたりまえ」という段階まで習熟する必要があります。
そのレベルに達していないと、食塩水を複数回移動させたり、混合するような複雑な問題に太刀打ちができません。「あたりまえ」にこなせるレベルがある一定レベルに達していないと、その先の整理や思考に頭を回すことができません。
また、面積図という道具も身につける必要がありますが、当然基礎の基礎が身についていないと話になりません。
「これが成り立つのはあたりまえである」のレベルを上げていくのです。
考えないでもわかるという領域を広げていかないと、処理量の多い複雑な問題を解くことができませんし、より高度な概念も習得できません。
基礎、あたりまえに成り立つこと。
繰り返しになりますがが、これらを積み重ねていくことが、算数においてとてつもなく大切なことになります。
身につかないうちに、授業は進んでいく
しかし、算数の基礎、土台が身につかないうちに、どんどん実力以上の問題をやってしまう、あるいは塾のカリキュラムに従ってやらざるを得ない、という子どもがたくさんいるのが現状です。子どもの成長にとって非効率極まりないどころか、成長に悪影響ではないのか、とさえ思います。
よくわからないうち、どんどん授業が進行していく。子どもが算数を嫌いになる瞬間はこれでしょう。
算数は積み上げ科目なので、一度わからなくなると、雪だるま式にわからないことが増えていく傾向があります。一度分からなくなると、さらに分からなくなり、負のスパイラルに入ります。
子どもがこうならないためには、最終的には親の力、サポートが必須だと思います。
中学受験は親の受験である、という言葉もあるほどです。
どの程度お子さまの受験勉強に関われるのか、各ご家庭さまざまでしょうが、大きく躓いている箇所がないかなどは保護者の方が把握、フォローして上げられれば有利であることは間違いありません。
塾のカリキュラムは決まっています。
算数が得意な子も、苦手な子も、等しい進度で進んでいきます。塾が決めた進度で進まないと、全単元がまわりきらない、という現実もあります(これは疑問符もつけられますが)。
学習において、最も大事な部分は基礎。
ここを徹底的に鍛えておけば、あとはさほど心配することはない、と言ってもいいくらいです。
どうか基礎を疎かにしないよう心得ておいてください。