例題5-1
7✕ア−4✕イ=70
を満たす整数ア、イの組のうち、アが小さいものから順に3組答えなさい。
解説
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足し算ではなくて引き算のパターンですね。

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そうです。
今までの不定方程式とかなり似ているけど、少しだけ違う。
とにかく問いてみましょうか。

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7✕ア−4✕イ=70
を満たす整数は、
7✕10−4✕0=70
がすぐに見つかります。

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今までと同じようにずらしていけば、他の答えの組が見つかります。
7✕ア−4✕イ=70
アの方は4ずつずらす。
イの方は7ずつずらす。
7✕10−4✕0=70
7✕6−4✕7=70
7✕2−4✕14=70

あれ?何かおかしい気がする・・・?

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7✕6−4✕7=70
はおかしいよね。
正しくは、
7✕6−4✕7=14です。
続いて、
7✕2−4✕14=70
も、もちろんおかしい。
14から56は引けませんからね。

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今までの不定方程式と少しだけ違う、か。
なるほど。
このずらすところが違うんですね。

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そうだね。
正しくは、
7✕ア−4✕イ=70
において、
アの方は4ずつ増やす。
イの方は7ずつ増やす。
7✕10−4✕0=70
7✕14−4✕7=70
7✕18−4✕14=70
7✕22−4✕21=70
7✕26−4✕28=70
このように続いていく。
アとイの整数の組は無限にあります。

ちなみに答えは、
(ア、イ)=(10、0)、(14、7)、(18、14)
ですね。

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なるほど。
7✕アの方で増えた分、4✕イの方も増やさないといけませんね。

今までの足し算の不定方程式は、片方を増やしたら、もう片方は減らしていた。
今回の引き算の不定方程式は、片方を増やしたら、もう片方も増やす。

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そうですね。
それが成立しますね。
呪文のように覚えるのではなくて、そのときそのとき、足すべきなのか、引くべきなのかを判断することが大切だよ。

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そうですね。
計算があうかどうかすぐに確かめもできますからね。

7✕10−4✕0=70
からどうずらすべきか・・・
7✕6−4✕7=70
は明らかに計算があわない。

7✕14−4✕7=70
は正しい。

サッと確かめながら解いていきますね。

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そういうことです。
「引き算のときは特に注意」くらいは頭のかたすみに置いておくとよいかな。

例題5-2
3✕ア−7✕イ=85
を満たす整数ア、イの組のうち、アが小さいものから順に3組答えなさい。
解説
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引き算の不定方程式ですね。
2回目ですし、自力で解いてみます!

3✕ア−7✕イ=85
を満たす整数・・・
85は3でも7でも割りきれない・・・

では3で割ったあまりに着目しよう!

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足し算の不定方程式のときに学んだことをよく覚えていますね!

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3✕ア−7✕イ=85
85は3で割ったあまりが1なので、
85は(3の倍数+1)

つまり、
(3の倍数)−7✕イ=(3の倍数+1)
だから、
7✕イは(3の倍数+1)になる・・・

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おっと!ここでまちがえちゃったな。
7✕イは(3の倍数+1)にならないよ。
7✕イは(3の倍数+2)が正しい。

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つまり、
(3の倍数)−(3の倍数+2)=(3の倍数+1)
ということですね。

うーん、確かにそうなるか。
実例で確かめると、
9−5(3+2)=4(3+1)
27−17(15+2)=10(9+1)
・・・そうなっていますね。

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引く(−)のある式の処理は、かなり注意が必要だってことを経験したね。
覚えておこうね。
中学生になると、「マイナスの数」をもっとしっかり学んでいくことになるんだけど、小学生にとっては、引く(−)のある式の処理はなかなか難しい。でも中学生にとっても難しいかも・・・?

そこで、「引く(−)のある式」から「引く(−)」を無くしてしまう方法を教えておくね。

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そんなことできるんですか・・・?

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話題の式は、
3✕ア−7✕イ=85

等号(=)の左にも右にも、(7✕イ)を足せばよいんだ。
等式の変形についての学習は大丈夫だよね?

3✕ア−7✕イ+(7✕イ)=85+(7✕イ)
等号(=)の左を整理しよう。3✕アだけが残るから、
3✕ア=85+(7✕イ)
と変形できる。

この式で、3で割ったときのあまりを考えてみよう。

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確かに、「引く(−)」がなくなりました!

3✕ア=85+(7✕イ)

(3の倍数)=(3の倍数+1)+(7✕イ)
なので、
(7✕イ)=(3の倍数+2)
です。

すっきりわかります!!

「引く(−)」がないと迷わないです!

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それは良かった!
慣れてくれば、「引く(−)」のある式のまま処理したってかまわない。
とにかく正しい計算処理ができるようになればOKだよ。
では問題を最後まで解きましょう!

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はい。
3✕ア=85+(7✕イ)
で、
(7✕イ)=(3の倍数+2)
までわかったので、これを満たすイを探します。
7=(3の倍数+1)
14=(3の倍数+2)
あっさり見つかりました。14=7✕2です。

つまり、
3✕ア=85+(7✕2)
これを満たすアは、33
3✕33=85+(7✕2)
より(ア、イ)=(33、2)が見つかりました。

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あってますよ。
残りの組を見つけましょう。小さい順に3つでしたね。

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はい。
3✕ア=85+(7✕イ)
これを満たすアとイを探します。
3✕33=85+(7✕2)・・・(ア、イ)=(33、2)
から、アの方は7ずつ、イの方は3ずつずらしていく。
今回はどちらも増やします。
3✕40=85+(7✕5)・・・(ア、イ)=(40、5)
3✕47=85+(7✕8)・・・(ア、イ)=(47、8)

答えは、
(ア、イ)=(33、2)、(40、5)、(47、8)
です。

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大正解です。
今回も無限に整数ア、イの組が見つかりますが、小さい順に3つ答える問題でした。

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