正三角形に関する重要知識・その４

正三角形の重心

解説

小円の面積が10 \(cm^2\)
では
大円の面積は？

つまり、小円と大円の相似比が聞かれているわけですね。
どちらも円で相似。
比がわかれば、面積も求まります。

とりあえず、円の中心Oから補助線を引くことを第一に考えますよね。

その通り！
円があれば、中心から補助線を引く。これは最重要知識ですね！
今引いた３本の線は、大きい円の半径ですね。
では、小さい円の半径も引きましょう。
大きい円の中心と小さい円の中心は、Oで一致しています。

OP、OQ、ORが小さい円の半径です。
正三角形ABCが６つの直角三角形に割れました。
円の中心と半径がこの図のようになるのはわかるよね？

はい、できあがった図を見れば、納得ですね。
直角になりますよね。

大きい円の半径と小さい円の半径の長さの比はわかるかな？

AOとOPを見比べると、２：１なのかな。見た感じですけど。

そうです。２：１です。
次の図の三角形の面積比からわかります。

クリーム色の三角形ABOは、直角三角形２つ分。
赤色の三角形OBPは、直角三角形１つ分。
高さは共通、底辺の比が２：１ですね。なるほど。

では、大きい円の面積を求めましょう。

小さい円と大きい円の相似比は１：２、
つまり、面積比は、（１×１）：（２×２）＝１：４

大きい円の面積は、小さい円の面積の４倍ですね。

よって、10×４＝40

40 \(cm^2\)ですね。

正解です。

正三角形の重心

今見てきた図形の考察ですが、これはテストの本番中にするものではないです。
家で終わらせておくべきものです。

え？どういうことですか。

つまり、有名知識なのです。
正三角形が６つの直角三角形に割れて、長さの比が２：１、
この図形はそのまま暗記してないといけないのです。

正三角形の頂点と向かいの辺を垂直に結びます。
３つの頂点から、３本の線を引きます。
その３本は１点で交わります。その交点をGとしましょう。

Gは正三角形の重心といいます。
３本の線はすべて、Gで２：１にわけられます。

はい、確かに重要な図な気がします。
とてもきれいだし。暗記します。

正三角形の重心を中心に円をかくと、今回の問題のような図になります。
ところで、次の図にも見慣れておかないといけない。

もちろん、円の中心Oが、正三角形の重心と一致しています。
この図形配置は、正N角形と円の定番の配置です。

円周上にN等分点をとり、それを結ぶことで正N角形をかく。
とてもよくある図です。
例えば
N＝６なら正六角形
N＝８なら正八角形

正三角形の図には、補助線を引いて次の図のようにすることもできます。
重心に関わる様々な性質が表れます。

本当にきれいですね。

白紙にフリーハンドで、上の図を作図できるようになっておくことも重要です。
60度を意識しながら作図するのです。
とにかく重要図形なのでしっかり暗記しましょう。